ロバート・ジョン・ソーントン(Robert John Thornton、1768?-1837)は、英国の医師、植物学者です。
『カルロス・フォン・リンネルスのセクシャル・システム新図解』などの制作者でもありました。
この書物の第3巻が、豪華な図版集として出版された『フローラの神殿(The Temple of Flora)』です。
『フローラの神殿』は、フォリオ版(ほぼA3の大きさ)の彩色図版で、1799年から10年間に渡って刊行されました。
ソーントンが原画を描き、当時の版画界の絵師、製版師、刷り師等を雇って製作されました。
フランスとの戦争などで豪華本を購入する市場が縮小し、資金が不足すると、小型本に刷り直し、私的なくじを売り出すなどして刊行を続けました。
主役である草花の背景には、他の植物図鑑にはあまり見られないロマンティックでドラマティックな風景が描かれており、当時英国で流行した、いわゆる「ピクチャレスク」の美意識が色濃く反映されています。
「史上最美の一冊」とも、「史上最も珍奇な一冊」とも言われ、英国で刊行された植物図譜の頂点を飾るにふさわしい傑作です。
★ソーントンの『フローラの神殿譜』 カタログ
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