G.B.ソワービー2世
博物学者、博物画家一家のソワービー家
G.B.ソワービー2世の『貝類図鑑』について
貝が持つ貝殻は、形状の優美さ、奇怪さ、色の鮮やかさ、不思議さから独特な魅力を有しており、人類は古くからその虜となり、時には貨幣や装飾品として珍重し、収集に熱中しました。
やがて、膨大な種類の貝殻を博物学的に分類する試みが生まれ、16世紀に最初の博物図譜が出版されました。
18〜19世紀にかけて、博物学の発展と共に、印刷技術が向上・発展し、貝類を含め様々な分野において精緻で美しい博物図版集が出版されるようになりました。
『Thesaurus Conchyliorum (貝類図鑑)』は、4代にわたり博物学者、博物画家を輩出した英国のSowerby家の2代目、George Brettingham Sowerby Junior (
ジョージ・ブルッティンガム・ソワービー2世、1812-1884)の編/画により、1847〜1887年にかけて出版された図鑑で、その当時知られていた貝類を網羅的に紹介した全5巻からなる大著です。
各図版は、まず銅版印刷により実物を忠実に再現した下絵を作成し、その上に彩色を施したものですが、その精密さ、色の美しさは群を抜いており、貝類の図譜として最高峰に位置する傑作です。
★貝類図鑑のアートカタログ