アーサー・ラッカム(Arthur Rackham, 1867 - 1939)は、メルヘンやファンタジーにあふれる挿絵で知られるイギリスの挿絵画家です。
ラッカムは、12人兄弟の一人としてロンドンに生まれ、18歳のときにウェストミンスター火災保険会社に勤める傍ら夜学の美術学校に学び、絵入り雑誌にスケッチなどを寄稿しました。
1892年、25歳のときに退職し、創刊時の『ウェストミンスター・ヴァジェット』誌でイラストレーターとして活動を始めました。
1893年に初めて本の挿絵を手がけ、以後挿絵画家として生涯にわたり数多くの挿絵を制作しています。
『グリム童話集』、『ガリバー旅行記』(1900年)、『リップ・ヴァン・ウィンクル』(1905年)、『ピーターパン・イン・ケンジントン・ガーデンズ』(1906年)、『不思議の国のアリス』(1907年)などの児童向けの作品がよく知られており、特に『不思議の国のアリス』はジョン・テニエルのものに次いで人気が高い作品です。
そのほか『真夏の夜の夢』(1908年)、『ウンディーネ』(1909年)や、エドガー・アラン・ポーの作品集など大人向けの挿絵も手がけています。
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