アンリ・マティス
アンリ・マティスについて
アンリ・マティス（Henri Matisse、1869-1954）は、近代フランスの画家であり、またフォーヴィスム（野獣派）のリーダ−的存在とみなされ、野獣派の活動が短期間で終わった後も20世紀を代表する芸術家の一人として活動を続けました。
自然をこよなく愛し「色彩の魔術師」と謳われ、緑あふれる世界を描き続けた画家でもありました。
絵画のほか、彫刻および版画も手がけています。
1869年、フランス・ノール県のル・カトー＝カンブレジ ( Le Cateau-Cambresis) に生まれ、当初法律家を志しましたが、後に画家に転向する決意を固め、1891年にパリの私立美術学校、アカデミー・ジュリアンに入学しました。
マティスの初期の作風は写実性を重視していましたが、次第にファン・ゴッホ、ポール・ゴーギャンら後期印象派の影響を受け、自由な色彩による絵画表現を追究するようになりました。
大胆な色彩を特徴とする作品を次々と発表し、野獣派と呼ばれるようになりましたが、しかし、フォーヴィスムとしての活動は1905年から3年ほどの間だけで、それ以降は比較的穏やかで心地の良い作品を描くようになりました。
更に晩年は、線の単純化、色彩の純化を追求した結果、切り絵に至り、ハサミはマティスにとって鉛筆以上に素画に適した道具となりました。
『ジャズ』シリーズなど切り絵の作品を多数残しています。
