ポール・セザンヌ(Paul Cezanne、1839 - 1906)は、フランスで活躍したポスト印象派の画家です。
当初はC.モネやP.A.ルノワールらと共に印象派グループの一員として活動していましたが、1880年代からグループを離れ、伝統的な絵画の約束事にとらわれない独自の絵画様式を探求しました。
キュビスムをはじめとする20世紀の美術に多大な影響を与えたことから、しばしば「近代絵画の父」と呼ばれています。
当初、大学で法学を学びましたが中退し、絵の勉強をするために1861年4月にパリに出ました。
官立の美術学校(エコール・デ・ボザール)への入学が断られたため、画塾アカデミー・シュイスに通い、ここでC.ピサロやC.モネやP.A.ルノワールと出会ったようです。
ロマン主義のE.ドラクロワ、写実主義のG.クールベ、後に印象派の父と呼ばれるE.マネらから影響を受けました。
彼は、印象派を通して色彩を解放することを学びました。
しかし、色彩によって瞬間的な色調の変化やその場の雰囲気を伝えようとした印象派に対し、色彩による堅固な造形を目指している点に彼の特筆すべき特徴があります。
また、静物画では、複数の視点が混在したり、テーブルの左右の稜線が食い違ったりする歪み(デフォルマシオン)が認められ、それは同時代の人々からは激しく非難されましたが、後のキュビスムによって評価されることとなりました。
「絵画には、二つのものが必要だ。つまり眼と頭脳である。この両者は、お互いに助け合わなければならない」という言葉に、彼の絵画に対する考え方が端的に表れています。
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