Bibliopoly

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ジークレーアートのビブリオポリ

柴田雄康氏が遺した珠玉のチェンバロ

現地にて無料で貸し出しいたします
詳しくはチェンバロの無料貸し出しについて をご覧ください。

ビブリオポリ-望嶽荘-チェンバロ ビブリオポリ-望嶽荘-チェンバロ

製作者

このチェンバロは、日本古楽の黎明期に活躍し、1975年のブールージュ国際古楽コンクールでみごと優勝を果した、今では伝説的となった東京リコーダークァルテットのメンバーの一人、柴田雄康さんに作製をお願いし、数年の歳月をかけて1998年に完成しました。
東京リコーダークァルテットは1975年にブルージュ国際古楽コンクールに出場し、みごと優勝を果たした日本を代表するリコーダーアンサンブルのグループです。
柴田雄康さんは、リコーダー奏者として活躍する一方、日本におけるチェンバロ研究の第一人者として、この楽器の研究、製作を進めてこられ、プロ、アマ問わずわが国のチェンバロ関係者に大きく貢献されました。
美大出身(武蔵野美術大学)の柴田さんご自身により入念に装飾が施された当荘チェンバロは、楽器として名器であるに留まらず美術工芸的にも際立っており、世界でも他に類を見ません。

主な仕様

●タイプ(モデル):フレミッシュ(リュッカース)のラバルマンタイプ
●音域:FF-fffの5オクターブ
●弦のシステム:2×8f+4f
●鍵盤システム:2段
●その他
  リュートストップ付き
  中世ヨーロッパのミニアチュール風の装飾

装飾について

この装飾の元となっているのは、フランスの国立図書館に所蔵されている、ギヨーム・ド・マショーの『運命の癒薬』という写本です。
この写本の詩の作者ギヨーム・ド・マショーは14世紀後半の聖職者で、また詩人、作曲家でもありました。
チェンバロのサイドには、従者を連れてたたずむ吟遊詩人の姿が描かれています。
腕組みをした詩人が、城の貴婦人に思いを馳せているシーンです。

ビブリオポリ-望嶽荘-チェンバロ-装飾 ビブリオポリ-望嶽荘-チェンバロ-装飾

この時代に特徴的な服装、髪型をした貴婦人は城の前に立ち、侍女達と何やら会話しているようです。
さて、詩人の想いは伝わったのでしょうか。
お話しはチェンバロの側面から蓋の部分へと展開していきます。

ビブリオポリ-望嶽荘-チェンバロ-装飾

詩人はある春の朝、小鳥の声に誘われて目を醒まします。
旅の客として一夜の宿を借りた城の窓を開けると、そこには光と生命の歓喜とにあふれた息を呑むような魅惑の楽園が広がっています。
すっかり魅了された詩人はそこに行きたいのですが、この楽園の周囲には川が流れています。
けれども渡るべき橋もありません。
ようやく船を見つけて楽園にたどり着きます。
そこには鳥が鳴き、花が咲き、動物たちが憩う幸福の世界が姿を現しました。
すると一頭のライオンが『真実の恋』の寓意として現れ、詩人を森の貴婦人のもとへといざなうのです。

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この場面は、詩人の苦しい恋がようやく叶えられ、貴婦人と手を取り合ったところです。
詩人の右隣、ピンクの帽子を付けた女性が詩人の恋する人です。
髭をはやした詩人の手を取って見つめています。

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この髭や、体にぴったりフィットするコスチュームはシャルル五世の時代(14世紀末頃)に流行りました。
女性は左右に分けた髪を編んでこめかみの上から垂らしています。
詩人は自作のバラードを歌い、その旋律は唐草模様の渦巻きに転じて春の空気を熱く燃え上がらせています。

サイドの絵の装飾について

チェンバロのサイドの部分は金箔を下地として、その上にテンペラ技法で装飾が施されています。

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ここには、トンボやカミキリムシなど、小諸の野山で良く見かける昆虫が描き込まれています。

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よく見ると、たれ耳ウサギがひょっこりと顔をのぞかせ、愛嬌を振りまいています。
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柴田さんの娘さんの話によりますと、柴田さんはこの装飾を描いている最中に、よくデパートのペットショップに出かけて、ウサギに見入っていたそうです。
また、連なる装飾文様の至るところで人の顔も現れ、少しビックリしますが、動植物を装飾に組み込むのはこの時代によく見られたいわゆる「グロテスク」様式の特徴です。

蓋の絵の装飾技法について

2012年の6月、望嶽荘で初めて娘さんとリコーダーの合奏をされました。

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製作者の柴田さんはさりげなくご説明してくださいましたが、実は巧妙に計画された極めて高度な技法が隠されています。
単に板の上に直接描いたのではなく、まず板の上に一層石膏を塗り、下地を形成した後、その上に金箔を貼って行きます。
周りの唐草部分は、唐草がデザインされたハンコのような治具を作製し、これを金箔の上から押し付けて凹凸を付けます。
石膏を塗ったのはこのためです。
口で言うのは簡単ですが、失敗が許されない、とても集中力を必要とする作業と想像されます。
この金箔の部分は表面を特殊な火山灰で処理して古色を出しています。
柴田さんによりますと、いろいろ試された結果この特殊な火山灰がこの処理に最も適しているそうです。

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赤色と青色の部分は金色の唐草文様が描かれていますが、最初の唐草以上に高度の技法を用いています。
この部分は金箔の上に、青色又は赤色の顔料を塗り、一旦乾かしてから、下地の金箔部分の露出部分だけ、表面の顔料を掻き落として行きます。
金箔を傷付けないように、細心の注意が求めらる上に、デザイン的な表現も求められ、最も技術と精神力を必要とする部分と思われます。

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貴婦人と吟遊詩人たちが輪舞している絵、また楽園の絵はいずれもテンペラ技法で描かれています。

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川の部分にはプラチナ箔が用いられています。

裏側のサイドの絵の装飾について

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このアイアンワーク様の模様はリュッカース工房のチェンバロに特徴的なデザインです。
このチェンバロが元々はリュッカース工房で作製されたもので、ラバルマンした時に、大きく様変わりしたものの、この部分だけはオリジナルの状態で残された、というストーリーに沿ったものです。

響板の装飾について

チェンバロの響板には、望嶽荘の近辺で見られる草花や生き物が描かれています。
コマクサやユリの花、リンドウ、カミキリムシ、キジなどが生き生きと描かれています。
但し、ここに描かれているヘビだけは小諸には生息していない毒ヘビです。綺麗な模様のヘビなので、特別に描いて頂きました。
コンサートの時には、近くでご覧頂くことが出来ますので、是非とも望嶽荘まで足をお運びください。

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